Chroma 17040E 広い電圧範囲・多用途シミュレーション、一台で車載用と電力貯蔵バッテリーモジュールテストに対応

20 Aug 2025

世界的なカーボンニュートラルの推進とエネルギー転換の加速に伴い、システムの変換効率向上とエネルギー損失低減のため、高電圧バッテリー技術が電力貯蔵システム(ESS)や電気自動車(EV)産業の注目を集めています。電力貯蔵システムの分野では、メガワット(MW)級の出力と長時間の安定した電力供給をサポートし、効率的に電力を貯蔵・放出するため、1500Vの高電圧設計が採用されています。さらに、HUAWEI、SUNGROW、CATL、BYDなどの主要企業が製造する電力貯蔵コンテナでは、このアーキテクチャに液冷技術が組み込まれています。一方、電気自動車産業では、高電流出力と急速充電が主な要求事項であり、主流の400Vプラットフォームから800V、それ以上の高電圧へと移行しています。TESLA、PORSCHE、Mercedes-Benzといった国際的な自動車メーカーから、BYDや広州汽車集団(GAC)などの中国メーカーに至るまで、相次いで800V高電圧駆動アーキテクチャを採用し、動力性能の向上とより速い充電速度を実現しています。さらに、この高電圧プラットフォーム設計は、John Deereの電動ショベルカーのような大型電動建機へも拡大しつつあります。これらの動向は、応用分野ごとにバッテリーモジュールの電圧アーキテクチャやテスト要件が、全く異なる発展傾向と課題に直面していることを示しています。


▲直列・並列接続による多様な構成例

Chroma 17040E バッテリーモジュールテストシステムは、電力回生機能を備えており、回生効率は93%以上に達します。これにより、効果的な省エネ、高調波汚染の低減、従来の放電エネルギーの浪費や放熱の課題を解決し、環境保護に貢献しています。本システムの電圧仕様は850Vで、主流の電気自動車における400Vシステムのニーズに対応するだけでなく、ハイエンドの電気自動車や電動ショベルカーで採用されている800Vシステムにも対応可能です。さらに、動的な波形シミュレーション機能(Waveform)により、実際の走行状況(電流/電力状態など)を模擬でき、電流応答速度は1ms(10%→90%)に達します。充放電の切り替え時も瞬時に電流が安定するため、走行状態を精密にシミュレートできます。また、様々な製品のテスト条件に応じて治具を柔軟に構成でき、直列・並列接続をサポートすることで、広範囲な電圧での多用途なアプリケーションを実現しています。最大出力電圧は1700V、最大出力は2.4MWに達し、電力貯蔵市場における高電圧・メガワット級のバッテリーコンテナシステムの性能テストや安全性検証の要求をカバーします。

Chroma 17040Eは、電力回生機能と広範囲な電圧動作能力により、電力貯蔵システムと車載アプリケーションの双方に対応しています。ユーザーは製品技術のアップグレードや需要の変化による頻繁な設備投資の負担から解放され、買い替えコストを大幅に削減し、全体的な投資対効果の向上、市場の変動への迅速な対応に貢献することができます。

製品ソリューションの詳細につきましては、弊社ウェブサイトをご覧いただき、お問い合わせいただけますようお願いいたします。

 

Chroma 17040E 電力回生式充放電試験システム